医療費の減額査定制度を利用することは、現行の制度では決して簡単ではないと言えますが、大きな手術をしたりなど、高額の医療費を支払った後は返還分が多額になることもありますので、チェックをした方がよさそうです。
具体的な流れをざっと説明したいと思います。
1.診療報酬明細書/レセプト開示を請求する。
医療機関が作成し、審査支払い機関で査定を受けたレセプトは保険者である国、健康保険組合、市町村などの組合に保管されています。
ご自身の健康保険証に保険者の所在地や連絡先などが記載されているので、そちらで保険者をご確認ください。
レセプトの開示は、本人またはその家族、遺族、委任状を受けた弁護士が請求できます。
費用はコピー代を除けば、ほとんどかからず、運転免許証、パスポートなど本人であることが確認できる書類があれば請求できます。
2.レセプト開示の中身
遺族が請求したレセプト開示は原則、無条件で開示されます。
その他の場合、「レセプトを開示することによって本人が疾病名を知ったとしても本人の診療上、支障が生じない旨を確認すること。その際、主治医の判断を求めるものとすること」(2004年厚生労働省レセプト開示通達)
これは、病名の告知はレセプトではなく医療機関で行われるべきであることを示唆しています。
つまり、病名などを告知されていれば、全て開示を受けられるということです。
ちなみに2005年3月末時点の全国レセプト開示状況調査では、医師の拒否による部分開示、非開示の例は一つもありませんでした。
レセプト開示請求は全て開示されています。
3.健康保険組合の診療報酬明細書の保管期間
健康保険組合のレセプトの保存期間については、健康保険組合ごとに適当な保存期間を設定できる旨を通知(内閣府「規制改革推進3ヵ年計画」資料 平成13年3月26日)
この内閣府の通知によると、レセプトの保存期間については各健康保険組合ごとで決められるということになります。
通常は、一度の請求で過去5年分を請求できるケースがほとんどですが、できれば1~2年に一度は健康管理や病院選びの参考にレセプト開示の請求を行った方がいいでしょう。
※なお、この規制改革推進3ヵ年計画では、同時にレセプトの電子化を推進しています。
4.レセプト開示の補足
レセプトの開示はその目的がなんであれ、請求することができます。 1997年に開示を認める通知を出すきっかけを作った「医療情報の公開・開示を求める市民の会」によれば、レセプト開示は「医療の透明性」を確保するための手段として認識されてます。
5.レセプト開示で確認できるメリットのまとめ
1.保険組合からの「減額通知」を受けなくてもレセプトを確認することで「減額査定」を知ることができる。
2.レセプト開示は一度の請求で、本人だけでなく家族の分も請求できるので「出費・支出」を書類として確認・管理できます。
3.レセプト開示で「医療費」をしることで、民間の医療保険を含め医療保険の設計の重要な資料にできる。
4.レセプトを確認することで、医療機関を選ぶ参考になる。近年、日本でもようやく話題になりつつあるセカンドオピニオンなどをあわせ、患者が病院選びの資料にできる。